葬儀にお寺さんを呼ばない選択。無宗教葬という送り方を、ひとり暮らしの私が書き出してみた話(やさしい終活 Vol.21)
「やさしい終活」シリーズの第21弾は、葬儀にお寺さんを呼ばない選択肢です。
Vol.14 火葬式プラン、Vol.20 お墓もお寺も持たない選択に続いて、命の整理シリーズ第3弾。 今回は「お経も戒名もない葬儀って、本当にOKなの?」という疑問にお答えします。
結論:お寺さんを呼ばなくても、ちゃんと送れます
書く前に、いちばん大事なことを最初に。
「葬儀にお寺さんを必ず呼ばなきゃいけないの?」と、ふと不安になることがあります。 答えは、「いいえ、呼ばなくていい」です。
- 宗教者を呼ばない葬儀は、法律上まったく問題なし
- 火葬や埋葬の許可は、宗教の有無に関係なく取得できる
- 「お経がない=きちんと送られていない」ではない
→ お寺さん(僧侶)を呼ぶかどうかは、完全に自由です。 → 「子どもの代まで続くお寺との関係」を持ちたくない人にも、ちゃんと選択肢があります。
葬儀の3つのスタイル(お寺との関わり方で比較)
葬儀の選び方を、お寺との関わり方で3つに分けてみます。
1. 菩提寺がある葬儀(伝統的)
- 先祖代々のお寺(菩提寺)に依頼
- お経・戒名・法要、すべてお寺さんが担当
- 葬儀後も四十九日・一周忌など、関係が続く
- 檀家として年間管理料・お布施を継続
→ 「家を継ぐ」「お墓を継ぐ」と一体化したスタイル。
2. お坊さん便(単発依頼)
- 葬儀社が紹介する僧侶を、葬儀のときだけ依頼
- お経をあげてもらう・戒名をつけてもらうことも可能
- 葬儀後の継続関係なし
- お布施は5万円〜10万円程度(明朗会計)
→ 「無宗教はちょっと寂しい、でも継続関係は持ちたくない」人向け。 → Vol.20で書いた「お寺との継続関係を持たない」選択を実現する仕組み。
3. 無宗教葬(お寺さんを呼ばない)
- 僧侶を呼ばない
- お経なし・戒名なし・宗教儀礼なし
- 家族のお別れと火葬で完結
- お布施なし
→ 「シンプルに、家族だけで送ってほしい」人向け。 → Vol.14の火葬式プランは、この無宗教葬と組み合わせるとさらにシンプルになります。
私の希望:無宗教葬
私の希望は、3番目の「無宗教葬」です。
- 子どもに「お寺と継続関係を持ってほしくない」
- 戒名にお金を払う必要を感じない
- お経がなくても、家族の手を合わせる時間で十分
- シンプルに、静かに、家族だけで
→ Vol.14の火葬式プラン(税込25万円)+ お坊さん呼ばない = ゆるら版の理想の送られ方。 → お布施分の費用がまるごと不要になるので、家族の経済的負担もさらに軽くなります。
無宗教葬の流れ(イメージ)
無宗教葬といっても、何もしないわけではありません。
一例
- ご逝去 → 葬儀社に連絡
- 安置(自宅または安置施設で1〜2日)
- 家族でのお別れの時間(線香・お花・思い出話)
- 火葬場へ搬送
- 火葬(約1〜2時間)
- お骨上げ → 骨壷へ
- 帰宅・後飾り(四十九日まで自宅で手を合わせる場所を整える)
→ お経の代わりに、家族が好きな音楽を流したり、思い出の写真を飾ったり、自由な形ができる。 → 「お別れ」の本質は、宗教の有無ではなく、家族が故人と向き合う時間そのもの。
戒名(かいみょう)って必要?
戒名は、仏教でつけられる故人の名前です。
- 仏教式葬儀では一般的につけられる
- お寺・宗派・ランクで金額が大きく違う(5万円〜100万円以上)
- 法名・浄土真宗の場合は「法名」と呼ぶ
戒名なしを選んでも問題なし
- 法律上、戒名は不要
- 墓石・位牌に俗名(本名)を彫る選択肢もある
- 火葬・埋葬・お墓の手続きに戒名は不要
→ 「お金をかけたくない」「お寺との関係がない」場合は、戒名なしでまったく問題ありません。 → 私は戒名は不要、もし位牌をつくる場合でも俗名で十分、と家族に伝えています。
無宗教葬を選ぶときの注意点
自由度が高い分、考えておきたいこと。
親戚の反応
- 年配の親戚が「お経がないのは…」と心配する可能性
- 生前に「私は無宗教葬を希望しています」と伝えておくのが安心
- エンディングノートに明記しておくと、家族が説得しやすい
葬儀社の理解
- 「お坊さんは呼びません」と最初にはっきり伝える
- 無宗教葬に対応している葬儀社を選ぶ(Vol.14で資料請求した葬儀社が無宗教対応か確認)
お別れの形を生前に決めておく
- 流したい音楽
- 飾りたい写真
- 家族からの最後の言葉(お別れの読み上げ・サイレントでも可)
- これらを生前にエンディングノートに記しておくと、家族が迷わない
死亡後、遺族が無宗教葬で送ってくれる場合
私の希望(無宗教葬)を、家族にきちんと伝えるための準備。
生前にやっておきたいこと
- 葬儀社を1社決めて、無宗教葬対応を確認(Vol.14のおさらい)
- 「お寺さん・戒名は不要」と葬儀社・家族に伝える
- お別れの形(音楽・写真・お別れの言葉)を決めておく
- エンディングノートに明記
- 1Passwordにも記録
家族がする手続き
- 葬儀社に電話 →「契約者が亡くなりました」と伝える
- 「無宗教葬・火葬式希望でした」と伝える
- 葬儀社が安置 → 火葬 → 後飾りまで全部対応
- 親戚への連絡は、後日でもOK(無宗教葬は家族だけで完結できる)
→ お寺さんを呼ばない分、家族の手続きは本当にシンプル。 → 「お経を聞きながら、家族で見送る」のではなく「家族の言葉で見送る」スタイル。
「葬儀=お寺さんを呼ぶもの」という思い込みを手放す
書きながら、自分の中にあった思い込みに気づきました。
「葬儀ってお経があるもの」 「戒名がないと成仏できないんじゃないか」 「親戚に何か言われそう」
→ これらは全部、伝統や慣習からくる思い込みでした。 → 法律上も、宗教上(個人の信仰によりますが)も、無宗教葬はまったく問題ありません。 → 大事なのは「形式」ではなく「家族が故人と向き合う時間があったか」だと思います。
私の保管方法(おさらい)
私は、希望する送られ方(無宗教葬・お寺さん不要・戒名不要・俗名のまま)を「1Password(ワンパスワード)」のセキュアノートに保存しています。
マスターパスワード1つだけ覚えて、10分間隔で再入力を必須にする運用。 マスターパスワードを忘れないための、ひとり暮らしの私なりの工夫です。
「もしも」のとき、家族がマスターパスワード1つ開けば、私の希望にもたどり着ける仕組み。 紙のエンディングノートにも「無宗教葬・お寺不要・戒名不要」と明記しています。
葬儀にお寺さんを呼ばない選択編、まとめ
- 「葬儀にお寺さんは必須」というルールはない(法律上も)
- 3つの選択肢:菩提寺がある葬儀・お坊さん便(単発)・無宗教葬
- 無宗教葬は、お経・戒名・宗教儀礼すべてなしで完結
- 戒名なし・俗名のままでまったく問題なし
- 家族のお別れの時間を、自由な形で過ごせる
- 生前に「無宗教葬希望」を葬儀社・家族・エンディングノートに伝える
- 親戚への説明のために、希望理由も一言添えておくと安心
- Vol.14火葬式プランと組み合わせると、究極にシンプルな送られ方になる
- 1Passwordと紙のエンディングノートに明記
「やさしい終活」シリーズ、これから(残り11本)
シリーズ完走に向けて、続きを書いていきます。
- 遺言(子ども3人均等・長女代表)→ 次回 Vol.22
- 郵便転送(e転居)・住民票転出
- 死亡届・火葬許可証・親戚連絡
- 家財道具の処分
- Googleアカウント削除
- Money Forward ME削除
- noteアカウント削除
- LINEアカウント削除
- 1Password解約(マスター・データ保持)
- Appleアカウント削除(デバイス連携全終了)
- 「ahamo は、いちばん最後の最後」(電話番号を最後まで残す)
さいごに
「お寺さんを呼ばない」と書いたとき、ちょっとだけ緊張しました。
子どもの頃から、葬儀=お経が当たり前の風景だった。 「お経がないお葬式なんて、お別れがちゃんとできないんじゃないか」と、心のどこかで思っていた時期もありました。
でも、書きながらわかったのは、「お別れ」の本質はお経じゃなかった、ということ。 家族が手を合わせる時間。 故人の顔をじっと見る時間。 「ありがとう」「お疲れさま」と心の中でつぶやく時間。
これさえあれば、お経はなくても、戒名はなくても、ちゃんと「お別れ」はできる。
私の場合は、「お寺さんを呼ばない=家族のことを思って選んだ送られ方」です。 お寺と関係を続ける負担を、子どもに引き継がせない、私なりのやさしさ。
明日は何にしようかな。 ぼちぼち、続けていきます。
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