メトトレキサートと暮らして5年|リウマチのお薬と私の付き合い方
リウマチと診断されて、5年が経ちました。
毎週決まった日に、私はメトトレキサートを2錠飲んでいます。 別の日に、フォリアミンを1錠。
これは、私のリウマチのお薬と歩んだ5年間の、ささやかな記録です。
メトトレキサート(MTX)って、どんなお薬?
メトトレキサート——通称 MTX(エムティーエックス)は、関節リウマチの治療で広く使われているお薬です。
私自身、リウマチ科のクリニックで初めてこのお薬を処方されたとき、正直に言うと、不安でした。
「もともとはがんの治療薬」と聞いて、ドキッとしたことを今も覚えています。
実際、MTX はもともと、がんの治療のために開発されたお薬です。
ただ、リウマチで使うときは、それよりずっと少ない量を、週に1〜2回だけ飲みます。
それでも、関節の腫れや痛みを抑えてくれる、強い味方です。
なぜ「フォリアミン」も一緒に?
MTX を飲むと、体の中の「葉酸」が減ってしまうことがあります。
葉酸が不足すると、口内炎や吐き気、貧血などが出やすくなる。
それを防ぐために、私はフォリアミン(葉酸のお薬)を、MTX とは別の日に1錠飲んでいます。
私の場合は、メトトレキサートを2錠飲んで、その3日後にフォリアミンを1錠。
このリズムを、5年続けてきました。
飲み忘れない工夫
リウマチで握力が落ちると、お薬の包装(PTPシート)を開けるのも一苦労です。
そして、週に1〜2回しか飲まないお薬は、「あれ?昨日飲んだっけ?」と忘れがち。
私は今、自分で作った「のみとう」という服薬管理アプリを使っています。
朝起きて、画面を見れば、今日飲むべきかどうかが、ぱっと分かる。
それだけのことなのに、心の負担が、すごく軽くなりました。
5年続けて、何が変わったか
正直に言うと、MTX を飲んでも、リウマチが完全に治るわけではありません。
朝のこわばりは、今もあります。 雨の日には、関節が痛むこともあります。
それでも、5年前に診断を受けた頃と比べると——
明らかに、痛みは穏やかになりました。 握力も、少しずつ戻ってきました。
そして、3か月ごとの検査では、炎症の値も正常範囲内におさまっています。
ゆっくり、でも確かに、お薬は私を支えてくれているのです。
副作用が心配なあなたへ
MTX を初めて処方されたとき、私もネットでいろんな情報を読みました。
「肝機能が悪くなる」 「腎機能が悪くなる」 「感染症にかかりやすくなる」 「咳が止まらないと間質性肺炎の可能性も」
確かに、副作用の可能性はあります。
だからこそ、3か月ごとの定期的な血液検査が、何より大切です。
主治医を信頼して、何か気になることがあれば、必ず伝える。
私自身も、最初の半年はドキドキしながら飲んでいました。
でも今は、「このお薬と、ゆっくり付き合っていく」という気持ちで、毎週飲んでいます。
「主治医の指示を覚えておく」ということ
MTX を飲んでいる5年の間に、こんな出来事がありました。
新型コロナのワクチンを、私はこれまでに7回接種しました。
そのうち6回は問題なかったのですが、1度だけ副反応で副鼻腔炎を起こしてしまったことがあります。
頬の奥がズキズキ痛んで、鼻もつまって、本当につらい数日でした。
耳鼻科で抗生剤を処方してもらったとき、ふと、リウマチ科の主治医の言葉を思い出しました。
「抗生剤を飲むときは、MTX を一時的にスキップしてくださいね」
診察のときに、さらりと教えてもらった指示。
それを覚えていたおかげで、抗生剤を飲んでいる間は MTX をお休みにして、服用日を数日ずらすことができました。
リウマチ科の指示を記憶していてよかった——心からそう思いました。
体調を崩したときに、お薬の調整が必要になることがあります。
主治医に「もし○○のときはどうしたらいいですか?」と聞いておくと、いざという時の自分を救ってくれる。
私はそれを、身をもって学びました。
看護師20年と、患者5年
私はリウマチ患者になる前、透析室の看護師として20年働いてきました。
たくさんのお薬を扱ってきたし、副作用に向き合う患者さんもたくさん見てきました。
だからこそ、自分が MTX を飲み始めたときは、知識が逆に不安を大きくしてしまった部分もあります。
でも、5年経った今は、こう思えるようになりました。
「知ることは、怖がるためじゃなくて、安心するため」
副作用の可能性を知っているからこそ、定期検査の意味がわかる。 お薬の働きを知っているからこそ、効果を実感できる。
知識は、お薬と健やかに付き合っていくための、静かな道具です。
あなたへ
もし、あなたもリウマチで MTX を飲み始めたばかりなら——
不安な気持ち、すごくよく分かります。
でも、ひとつだけ伝えたいことがあります。
「お薬と仲良く付き合えるようになるまで、少し時間がかかります」
最初の頃は、副作用が気になったり、効果を感じられなかったりするかもしれません。
それでも、3ヶ月、半年、1年と続けていくうちに、少しずつ「このお薬は私の味方なんだ」と感じられる日が、きっと来ます。
焦らないで、ゆっくり、ゆっくり。
あなたの体は、あなたの大切な味方です。
まとめ
リウマチと付き合う5年で、私が一番伝えたいのは——
「お薬は、敵じゃなくて、味方」だということ。
最初は怖くても、信頼できる主治医と一緒に、自分のペースで付き合っていけば大丈夫。
私も、これからも MTX とフォリアミンと、3か月ごとの検査と、毎日少しずつ。
あなたの療養が、穏やかでありますように。
※本記事は私個人の体験談であり、医療アドバイスではありません。お薬の服用や治療方針については、必ず主治医にご相談ください。