看護学校の実習リアル|30代シングルマザーが綴る感動と大変さ
「看護学校の実習って、本当はどんな感じなの?」
これから看護学校に進もうと考えている方や、お子さんが看護学生になる予定の保護者の方に、私の実体験をお伝えします。
私は32歳で准看護師の養成所に入り、その後正看護師の専門学校に進学しました。
シングルマザーとして3人の子どもを育てながらの実習は、感動と大変さの両方が詰まった日々でした。
看護学校の実習って、どんな感じ?
看護学校の実習は、座学とはまったく違う世界でした。
患者さんに直接関わらせてもらう、現場の中の学び。
各分野の実習を順に経験していきますが、特に私が「チンプンカンプン」だったのは 精神看護(精神科)実習 です。
身体の病気と違い、心の病気は目に見えにくく、患者さんとの関わり方も独特です。
「どう声をかければいいんだろう」 「私の言葉で、何かを傷つけてしまわないだろうか」
戸惑いながらも、毎日少しずつ学んでいきました。
ほかにも、内科・外科・小児・母性・在宅・老年など、さまざまな実習がありました。
どの分野も、教科書では見えなかった「人」の姿が、現場には確かに存在していました。
実習中の毎日のレポートが、本当にきつかった
実習で何より大変だったのは、毎日のレポート(看護記録)です。
書くべき項目はこんな感じでした。
- 目標
- 行動計画
- 実施記録
- 反省
- 評価
これを 数ページ分、毎日。
実習で1日中立ちっぱなし、患者さんと向き合い、指導者の助言を受け、家に帰ってからレポートを書く。
書き終わるのは深夜。
シングルマザーとして3人の子どもの世話もある中で、毎日この繰り返しでした。
「クタクタ」という言葉では足りないくらいの疲労感。
それでも翌朝には、また実習着を着て、現場に向かっていました。
「絶対に休めない」実習だった理由
実習は 1日たりとも休みたくない と、私はずっと思っていました。
休めない理由は、いくつかありました。
補修になると、1人だけで実習しなきゃいけない
仲間と一緒に進めるはずの実習を、自分だけで補修扱いになる。
緊張するし、心細い。
職場(臨床)を休むことになる
補修は別日に組まれるため、本来予定されていなかった日に病院へ通うことになります。
それを受け入れる病院側の調整も必要で、迷惑をかけてしまいます。
夏休みに補修になることも
楽しみだった夏休みが、補修で潰れることもあるそうです。
子どもたちの夏の予定にも影響が出てしまう。
2度手間になる
ただでさえ限られた時間で学んでいるのに、もう一度同じことをやるのは時間の無駄。
「1度で済ませたい」という気持ちは、社会人学生にとって本当に切実でした。
だから、自分自身の体調管理はもちろん、家族の協力も必要不可欠でした。
子どもたちには「実習中は、お母さんの仕事に影響が出ないようにしてね」と、繰り返し伝えていました。
子どもの「金髪登校事件」と、私の選択
それでも、たった1度だけ、こんなことがありました。
時期は、まさに「チンプンカンプン」だった精神看護実習の最中。
精神科病棟は施錠が必須で、実習生に割り当てられる鍵にも限りがあります。
病棟内を自由に動けない環境の中、学校から実習先の病院に電話が入りました。
「お子さんが、金髪に染めて登校してきました。どうしますか?」
担任の先生からは、2つの提案がありました。
- 1: 担任が黒染めして、教室に入れる
- 2: 帰宅させて、黒染めするまで登校禁止
私の選択は、迷わず 「1」 でした。
なぜなら、私は実習を 絶対に休みたくなかった からです。
「2」を選べば、子どもを迎えに行くか、誰かに対応してもらう必要があります。
実習を抜けるわけにはいきませんでした。
担任の先生が黒染めしてくれて、子どもは無事に教室に入りました。
実習中に問題行動を起こさないようにと、子どもたちには日頃から念押ししていたつもりでしたが、たった1度だけそういう事があったのが、この金髪事件でした。
今では笑い話ですが、当時は「念押しが足りなかったのかな」と苦笑いしていました。
分娩立ち会いで、自然と流れた涙
実習で 一番心に残っている瞬間 は、母性看護実習での 分娩立ち会い です。
新しい命が、この世に生まれてくる瞬間。
お母さんの呼吸、医療スタッフのチームワーク、そして産声。
私の頬を、自然に涙が流れていました。
「看護師になることを目指して、本当に良かった」
そう心の底から思った瞬間でした。
教科書では絶対に伝わらない、命の重みと尊さを、現場で体感することができました。
指導者(看護師さん)への、今も残る申し訳なさ
実習を振り返ると、当時の指導者(看護師さん)に、今でも申し訳なく思うことがあります。
臨床実習は、看護師さんが 仕事中の現場 です。
学生のために特別に時間を取ってくれているわけじゃなく、本来の業務をこなしながら、私たち学生を見てくれていました。
私が実習した病院は、特に 夜勤明けや残業が多い職場 でした。
ヘトヘトの状態で勤務している看護師さんに、学生の私はこう声をかけていました。
「今日の実習目標は、〜です」 「予習で学んだ内容を、発表させてください」
それを聞いて、看護師さんは時間を割いてくれました。
遊びに来ているわけじゃない。 学びたい気持ちは本物。
でも、看護師さんから見たら、私たちはきっと 邪魔な存在 だったと思います。
今、自分が看護師として20年以上働いてきて、実習生を受け入れる側になって、当時の指導者の方々の大変さがよく分かるようになりました。
「あのときは、本当にありがとうございました」
今も、心の中でそう手を合わせています。
正看護師取得後、ぞっとした出来事(交通事故)
実習を無事に乗り越え、国家試験にも合格して、私は晴れて正看護師になりました。
「やっと一人前になれた」とホッとしたのが伝わったのかもしれません。
正看護師として働き始めてしばらく経ったある日、準夜勤の帰り道 に、思ってもみない出来事が起こりました。
私は原動機付き自転車に乗っていて、相手は乗用車。
交差点で衝突しました。
結果は 右下腿開放性骨折。
救急で運ばれ、約2ヶ月の入院生活を余儀なくされました。
このとき、心の底から思ったんです。
「卒業しててよかった」
もし学生時代に、実習中にこの事故が起きていたら…。
長期入院で実習を中断、補修・留年、子どもたちの生活への影響、すべてが大きく違っていたはず。
「あのとき、休まずに実習を最後まで完走できた自分」に、心から感謝しました。
健康と無事は、当たり前じゃありません。
実習を頑張る中で、それを実感する出来事でした。
看護学校の実習を控えるあなたへ
これから看護学校の実習に臨む方に、私の体験から伝えたいことをまとめます。
体調管理は最優先
実習中の体調管理は、自分のためだけでなく、患者さんのためでもあります。
「絶対に休まない」を目指して、無理のない生活リズムを作りましょう。
家族の協力は必須
社会人や子育て中の方は、家族との事前の話し合いが本当に大切です。
「実習中はこういう生活になる」「協力してほしいこと」を、明確に伝えておきましょう。
レポートは習慣化する
毎日のレポートは、最初の1週間でリズムをつかむのが鍵。
帰宅後すぐに書き始める、寝る前に書き上げる、朝の30分で見直す、自分に合うスタイルを見つけましょう。
感動の瞬間を、忘れないでほしい
大変なことばかりではありません。
分娩立ち会いのような、心が震える瞬間が必ずあります。
その感動が、看護師として働き続ける原動力になります。
看護師国家試験対策に、長く使える一冊
実習で学んだことを国家試験につなげるには、信頼できる参考書が手元にあると安心です。
私が看護学生だった頃にも、卒業後の現場でも、辞書のように使われ続けているロングセラーがあります。
実習中の予習・復習にも、国試対策にも、看護師になってからの調べ物にも使える、一生モノの一冊です。
まとめ|実習は、きつくて、温かくて、忘れられない時間
看護学校の実習は、本当に大変でした。
毎日のレポート、絶対に休めない緊張感、子どもの金髪登校事件、指導者への申し訳なさ。
でも、分娩立ち会いの涙や、患者さんの「ありがとう」のひと言は、今も鮮明に残っています。
そして、実習を最後まで完走できたからこそ、その後の私の人生があります。
これから実習に臨むあなたが、無事に、そして感動を見つけながら、走り抜けることを心から願っています。
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